私は就職氷河期に就職活動をしたこともあり塾講師にしかなれませんでした。しかも採用された塾の規模は小さく労働法をほとんど守られていないようなところでした。

 

正社員は私と塾長のみで他は全てアルバイトで、塾の運営から給与管理まですべて私が仕切ることになっていました。

 

新卒で入ってきていきなり重要なポストに付けられてしまい、参っていても塾長は手を差し伸べることもしませんでした。

 

もちろん残業代は一切出ませんでしたが、幸いにもタイムカードの操作方法を塾長が良く理解していなかったからなのか、勤務時間はデータとして残すことができていました。

 

入社して8年が経った頃、私の所属していた教室は郊外にあり年々生徒数が減り、ノルマ達成できない塾長の八つ当たりとパワハラもひどくなってきました。

 

毎日のサービス残業にストレスが重なり、胃に穴が開いて入院することになってしまいました。

 

教室では事務のできる人間はいませんから、すぐに退院しろという塾長の電話が毎日のようにかかってきました。

 

病院でよくよく考えてみると残業代ももらえていないのに頑張る理由もないんじゃないかと思い始めたのもこの時です。

 

それからは、病院内でできることと言えば、ネットと電話でそれで弁護士に相談に乗ってもらえるところを探しました。

 

それからは、自分がデータとして持っている勤務記録やパワハラの証拠の話をすると、ほぼ確実に勝てるという話になり正式に依頼しました。

 

基本的にはメールと電話で、たまに病室や退院後は事務所で相談をしました。

 

結局、塾長のパワハラは常軌を逸しているので勤務を続ける気もなくなり退職しました。

 

退職後、本社には全ての報告書をもって弁護士さんに交渉に行ってもらったところ、示談で3年分の残業代を丸々いただくことができました。

 

弁護士に依頼してからは1か月ほどで退職から残業代の振り込みまで終わらせることができました。

 

成功報酬として会社から受け取った金額の12%の105万円を支払い最低な会社から逃げることができました。